
「ヴェルジーの奥方の物語」象牙小箱

「ヴェルジーの奥方の物語」は13世紀中頃に作られた。伝えられる写本も多く、図像化された作例は象牙浮彫に多いとされる。
ブルゴーニュ公の姪の奥方(未婚の女性?)と騎士の恋、それに横恋慕する公妃の物語。蓋と背面8場面で二人の恋を知った公は、それを公妃に告げる。公妃は復讐のための舞踏会を開き(左側面・右図、両端でトランペットを吹いている)、前面4場面(上図)で破局を迎える。公妃から二人の恋を知ったと伝えられた奥方は、騎士の裏切りから公妃が知ったと信じて、悲しみのあまり死んでしまう。騎士は奥方の亡骸の前で胸に剣をさして自殺する。公は騎士の胸から剣を引き抜いて立ち去る(右端の場面にいる公の腕は枠を越えて剣を抜いている)。右側面で最後。公は恋人たちの死の復讐のため、舞踏会で公妃を殺し悔悟して十字軍に出発する。
「ヴェルジーの奥方の物語」象牙小箱
1340〜50年頃 象牙 高さ9.5cm
パリ ルーヴル美術館
ブルゴーニュ公の姪の奥方(未婚の女性?)と騎士の恋、それに横恋慕する公妃の物語。蓋と背面8場面で二人の恋を知った公は、それを公妃に告げる。公妃は復讐のための舞踏会を開き(左側面・右図、両端でトランペットを吹いている)、前面4場面(上図)で破局を迎える。公妃から二人の恋を知ったと伝えられた奥方は、騎士の裏切りから公妃が知ったと信じて、悲しみのあまり死んでしまう。騎士は奥方の亡骸の前で胸に剣をさして自殺する。公は騎士の胸から剣を引き抜いて立ち去る(右端の場面にいる公の腕は枠を越えて剣を抜いている)。右側面で最後。公は恋人たちの死の復讐のため、舞踏会で公妃を殺し悔悟して十字軍に出発する。
1340〜50年頃 象牙 高さ9.5cm
パリ ルーヴル美術館
